大腸がん

研究室の先生からありがたい宿題を課されました。今日は、Q-PCR法で、大腸がん組織から取ってきたいろんな細胞株においてMLH1遺伝子の発現量を調べたんですが、「どうしてHCT116細胞株とSW48細胞株ではMLH1の発現量が少ないのかな?」と尋ねられました。そもそもMLH1遺伝子がなんなのか知らなかった私、「はーい(`ε´)調べてきます。」と返事をしてその場をやり過ごす。
家に帰って遺伝学の教科書をひっぱり出して調べました。以下適当にまとめ。

遺伝性大腸がんには、家族性大腸ポリポーシス(FAP)と遺伝性非ポリポーシス大腸がん(HNPCC)の2種類がある。
FAPの特性は染色体の不安定性(CIN)であり、紡錘体チェックポイント異常が挙げられ、細胞の正常な分裂ができない状態である。APC遺伝子に変異が生じるのが原因である。
一方、HNPCCの特性はマイクロサテライト不安定性(MIN)である。マイクロサテライトとはDNA上の反復配列のことで、これの反復回数がおかしくなっているということ。これの原因が、MLH1遺伝子の変異(つまり、発現・活性の低下)である。

MLH1とは、DNAの複製ミスを修復するミスマッチ修復機構にはたらくタンパク質の一つだったらしいです。よって、「HCT116細胞株とSW48細胞株はHNPCC由来のもので、そのほかの細胞株はFAP由来だろう」という結論が出ました。明日これを先生に説明してみます。